ゲストキュレーター山本 祐布子（やまもと ゆうこ）

イラストレーター。
雑誌や広告、プロダクトデザインの
ディレクションで活躍。
現在はイラスト仕事の他に、
千葉県房総半島にあるmitosaya薬草園蒸留所で
日本全国の優れたフルーツやハーブを用いて、
蒸留酒を作る。
ジャムや、お茶など
ノンアルコール部門を主に担当。

千葉仲間のものづくり

――

２つめのご紹介はこちら、ナッツとドライフルーツですね。
これはどちらのものなんですか？

山本

南房総市の、アンベッサ（AMBESSA&CO）っていうお店です。
オーガニックの食材屋さんで、そこのものですね。
基本的にはオーガニックのものを輸入して販売していて、
ものによっては国産のリンゴやブドウなんかを
自分たちでドライにして売ってたりもするお店なんです。

――

どんなふうにして出会われたんですか？

山本

私たち、千葉に引っ越してきてから、
いろんなお友達関係ができてきたんです。
鴨川の苗目（ナエメ）っていうハーブ農家さんと仲良くなって、
アンベッサさんとは、そのご縁でお友達になったんです。
今は一緒にライ麦を育てたりもしてるんですよ。
アンベッサさんはお店もセルフビルドで作っていて、
すごく素敵です。

――

千葉のコミュニティみたいなのがありそうですね。

山本

そうですね、そうそう。
ここ大多喜から鴨川って一時間弱かかるし、
南房総までは１時間半くらいかかるんですけど。
千葉っていうだけで仲間入りしちゃって。

――

千葉、広いですもんね。
でも広いと、距離とか時間って、
あんまり気にならないように思います。
都会だと5分、10分で大きく変わるけれど‥‥。

山本

そうなんですよ。
なんだか、おおらかになります。

MITOSAYAでは、オープンデーを不定期に開催していて、
新作のテイスティングや販売とか、
自然と触れ合うイベントとか。
そこに、そういうお友達も出店してくださって、
アンベッサさんも、そのひとつで
お世話になっています。

そのまま食べても、グラノーラにしても

山本

私、このナッツがすごく好きで、
いつも自家製のグラノーラをこれで作っています。
ほかの食べ方っていうと、何があるかなぁ。

――

おいしそうです！
このままポリポリ食べてもいいわけですよね。

山本

もちろんそうなんですけどね。
お料理に使うときは、サラダにかけたり。
今ちょうど、いちじくがあるから、
前菜みたいなものを作りましょうか。
いちじくはね、毎年ブランデーを作るのに
１トンくらい仕入れるんですよ。

――

１トン！
１トンのいちじくってどれくらいなんだろう‥‥。

山本

私もノンアルコールの瓶詰を作るので、
ちょっと分けてもらってるんです。

――

その、届いたばかりのいちじくを、切って。

山本

刻んだナッツをかけましょう。

これにはちみつと、岩塩を。

オリーブオイルは‥‥いらないかな。
ナッツに少し油っ気がありますからね。

――

わあ、素敵です～。

山本

いちじくとナッツのサラダができました。
このはちみつもね、近所のものなんですよ。
おじいさんがやってらして。

――

いいですね。
顔が見えるものって、よりおいしく感じますよね。

山本

そうですよね、幸せです。

――

このナッツはガラスの瓶もいいですよね。

山本

グラノーラをつくると減るのが早いので、
私はふだん、袋入りのを買ってるんですけど、
この瓶詰は、飾っててもいいくらいですね。

――

ナッツが、層になっててきれいです。
とても質がいいのが伝わってきますね。

山本

輸入のナッツって、
油のにおいが気になったりするんだけど、
アンベッサのものはそんなことがないんですよ。
こういうのってなかなかないと思います。
全部オーガニックだからやっぱり安心ですよね。

自然の甘味で、凝縮された果物の味

――

ドライフルーツも、きれいに詰まってますね。
こちらもグラノーラに混ぜたりするんですか？

山本

じつは私、グラノーラにドライフルーツが入ってるのが
ちょっと苦手なんです。

――

あら、そうなんですね。

山本

そうなんです。
オーブンで一緒に焼きこんじゃうと、かたくなるんですよ。
焼きあがったところに混ぜると、
ナッツのほうが湿気ちゃう。

――

食感が変わっちゃうのはたしかに残念ですね。
ナッツとフルーツ、合いそうなのに。

山本

そう。
だから、うちのグラノーラにはナッツだけなんです。
ドライフルーツは何かに入れることはあんまりなくて、
おやつみたいにそのまま食べることが多いですね。
お皿に出して、チョコレートとかと一緒に。
子どもも、そのままパクパク食べています。

――

色もきれいだし、わくわくしますよね。

山本

これは何だろう、こっちは何かな、なんて
言いながら食べるのが楽しいんですよね。

――

アソートだと、いろんなものが入ってますからね。
季節で変わったりするんですかね。

山本

これはピーチかな。
ほかにはレーズン、グリーンレーズン、マンゴー‥‥。

――

アプリコット、デーツ、インカベリー、
チェリー、キウイ、パイナップル。
種類が多くて、どれもかわいいかたちで、
お皿もすてきで‥‥絵になります。

山本

甘味も自然なんですよね。

――

しっかり果物の味がしますし、
生命力があって、満足感もありますね。

（おわり）