LDKWARE メイキング連載

ホームのユニフォームをつくろう委員会

02

ゆったり VS カッチリ問題。

井出
いちおう今回、参考のために、
デザイン画を描いてみたんです。
井出
カフェでコーヒーを入れにきてくれる人とか、
ホテルのおそうじしてる人とか、
そういうユニフォーム的なものだと、
作業しやすくて気合いも入るのかなぁと思って、
そういうイメージです。
岡尾
なんかフランスの人みたい。
冷水
かわいい。
井出
でも、どっちがいいんでしょう?
らくで動きやすいほうがいいのか、
気合いを入れるために、カッチリしたほうがいいのか。
岡尾
カッチリした服装で家事をすると、
たぶん動きもきれいになるし、
「やろう!」っていう気分にもなるけど‥‥。
黒田
いっぽう、自らモップ化するという人もいて(笑)。
菅野
そうですね、だいぶ開きがありますよね(笑)。
井出
こういうカッチリした方向じゃないとすると、
作家さんたちが着てたアトリエ服みたいなのも、
よさそうな気がしていて。
岡尾
たとえば?
井出
ルーシー・リーが窯で着ていたチュニックとか、
向田邦子さんが着ていたスモックとか。
長田
そういう人たちが着ていたと思うと、
よけいに、いい気がしてきます。
井出
そうそう。
ゆったりした、かっぽう着に近い感じのものですね。

かわいいかっぽう着があったら‥‥。

菅野
わたしはお料理のとき、エプロンもしますけど、
実はスモックが多いんです。
スモック、よく着ます。
井出
あ、スモック着てますか?
菅野
はい。
なにせ、息子のメールの一言めが「腹へった」で、
とにかく夕飯をすぐにつくらなきゃいけないので、
家に帰ってすぐ、外出着の上からパッと着て。
井出
それは、後ろで留める、かっぽう着スタイルってこと?
菅野
はい、そうです。
黒田
エプロンよりいいんだ?
菅野
もう袖とかもぜんぶ、防御できるので。
岡尾
なるほど。
菅野
でも、着ててあんまりうれしくないですけど(笑)。
とくにかわいくもないし。
冷水
そういうので、かわいいのがあったら‥‥。
菅野
そうですね。いいと思います。
井出
かわいいかっぽう着をつくればいいのか!
菅野
なんか、友だちが来て、
「あれ? それ、もしかして、かっぽう着なの?」
って言われたら、すごくいいかなぁって思います。
井出
つまり、ふつうの服に見えるっていうのが大事なんだ。
なんなら、そのまま外に出かけられたほうがいいですか?
黒田
コンビニくらいはそれで行けたほうが、
何かとべんりな気はします。
モップ服だと行けないじゃないですか。
菅野
ぜんぜん行けない(笑)。
岡尾
すごい想像しちゃう。
どんななんだろう、モップ服(笑)。

エプロンとセット、というアイデア。

黒田
ちなみにぼくは、仕事着は、
あんまりゆったりしてないほうが好きなんですけど‥‥。
井出
そうなんですか。
黒田
はい、身体に沿ってぴったりとしてるほうが、
働くときに安全かなって思います。
岡尾
なるほど。
たしかに、それはそうですね。
黒田
ただ、リラックスして家事したいっていう人も、
きっといるんだろうとは思いますけど。
長田
あの、わたし、そうじをするときに、
ふわっとした服を着ていたら、
じゃまにならないようにエプロンをすることがあります。
井出
あっ、なるほど。
エプロンで服をおさえるわけだ。
岡尾
エプロンをすれば、どんな格好でもビシッとしますから。
冷水
締めるしね。
井出
自分の身体のサイズにギュッとね。
「やる気アイテム」でもあるし、
もしかして、エプロンとセットで考えるといいのかも?
黒田
そうか、スーツにネクタイするのと同じで、
エプロンをしてスタイルが完結すると。
菅野
いいかも!

エプロンも、だんだん味が出てきてほしい。

岡尾
じゃあ、黒田さん、
どんなエプロンしててほしいですか(笑)?
菅野
願望を。
黒田
そう言われても(笑)。
でもやっぱり、すごく清潔に見えるか、汚れないか、
どっちかじゃないですか。
白か、逆にイギリスのブッチャー(肉屋)みたいに黒か。
岡尾
そうですよね。
あ、わたし、エプロンを持ってきてるんでした。
ほぼ日
いいですね、どなたか着てみてもらえますか。
長田
はい、わたし着ます。
菅野
あ、前紐なんですね。
岡尾
前ですね。ねじって前で結ぶ感じ。
これはパリの修道院ショップで買ったものです。
井出
ああ、いいですね。かわいい。
ほぼ日
せっかくだから、冷水さんにも着ていただきましょうか。
冷水
あ、はい。
岡尾
さすが本職。
菅野
カッコいい。
もうこれでいいじゃないですかって感じですね(笑)。
冷水
これくらいの長さほうが、
しゃがんだりするとき、らくなの。
1回長いのを買ったとき、ちょっと動きにくかった。
井出
わたしもね、格好つけて、
いつも長いのをえらんじゃうんだけど(笑)。
菅野
これは動きやすそうですね。見るからに動きやすそう。
あと、もしシミがついてても、かわいい感じがする。
黒田
たしかに、使い込んでいったときに、
愛着がわいてくるものであってほしいよね。
冷水
いっぱい洗っていったときに、味が出てくる生地がいいな。
菅野
いいですね。それがいいと思います。
井出
生地をちょっと肉厚にすると、経年変化というか、
古びた感じがすごくよくなるので、
ここはポイントとしてメモしておきますね。
岡尾
もう1枚は、イギリスでシェフがよくしている、
ストライプ柄のエプロンです。
菅野
これもかわいいです。ポッケが印象的。
岡尾
お母さんっぽい。
井出
どちらも首のひもが細めですね。
紐が細いほうが、らくって言いますよね。
太いと、なんか肩が疲れてきちゃう。
長田
あんまり意識したことないけど、
たしかにそうかもしれないですね。
井出
男性的にはどうですか?
黒田
エプロンは、もらい物で1枚だけ持ってるんですよ。
それはまあ、細いほうですね。
ふつうの平べったい紐のやつで、
太いのよりはたぶんいいと思います。
井出
「紐は細め」と。
いいですね、だんだん整理されてきた気がします。

(つづきます)